MERS感染対策と対応について
2015.06.22
2015年5月20日に韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の感染が確認されて以来、
当院でも海外出張の多いビジネスパーソンからMERSについて問われる機会が
多い。
韓国で突然生じたMERSは、中東に出張し帰国した1人の韓国人が発症源と
判明し、多くの死者、隔離者を出している。
大勢の隔離者を出してしまったのは、気付かぬうちに病院内で感染を
広げてしまったためだ。
MERSは風邪のウィルスの一つであるコロナウィルスが ラクダに感染して変化し、
人への感染性と強い病原性を獲得して拡大したものだ。
しかし、このウイルスは体内で増殖を続けられないため、ある程度の期間
(最長で14日ほど)で感染力は消失する。
死亡者が多いのは、激しい免疫反応による肺炎などを引き起こすためだが、
その意味では通常病気に弱いとされる老人や子供よりも若年者中年者に
多くなる傾向にある。
感染を防ぐには、インフルエンザの時と同様の処置をすれば良い。
すなわち、疑いのある人は咳を撒き散らさないようマスクする、病院では
受診時から隔離する、手洗いやドアのノブ清掃などを徹底するなどだ。
中東と韓国に行った人、ないしはそのような人と接触し、38℃以上の発熱と
肺炎がある人は要注意だ。この場合病院に行く前に必ず身近にある保健所に
連絡し、指示に従って欲しい。
今後このような感染はいつでも起こり得るので、海外出張の機会が多い
ビジネスパーソンにはこの点を留意し、落ち着いて行動していただければ
と思う。
伊藤 院長 2015年6月22日(月)記