重病に関わる「吐き気(悪心)」の特徴について
2014.09.28
以前ブログで「吐き気(悪心)」の様々な原因について述べたが、
今回は「吐き気」を重病サインの1つと捉え、ビジネスパーソンに知っておいていただきたい
重病な疾患をまとめてみる。
従って、二日酔いや乗り物酔いといった自分で吐いたり止めたりというコントロールが
できるものは含めず、繰り返される吐き気を対象としてみた。
そもそも「吐き気」のメカニズムとは、脳幹の延髄という部分にある血液中の吐き気を
もよおす物質に反応する神経細胞が、視覚、味覚、内蔵感覚等の情報を統合し、
これが迷走神経等を伝わり、咽頭から食道付近に「吐き気」という感覚を作り出されて
引き起こされる。
まず、なんとなく続く「吐き気」の場合だ。この場合は食道炎、胃炎、胃十二指腸潰瘍、
便秘、そして、稀に消化器系のがん等が関係する内臓神経が反応している可能性がある。
こうした症状の時は、消化器内科を標榜する医療機関で診断を受けて欲しい。
次に「吐き気」のような感じの後に心窩部に重圧感を感じる場合は、狭心症の可能性がある。
これは狭心症が迷走神経が関わることがあるためだが、念のため循環器内科を標榜する
医療機関で精査していただきたい。
さらに、「吐き気」に伴い、めまい、頭痛、意識障害がある場合は、直ちに脳外科を
標榜する医療機関に行って欲しい。
高血圧を放置していたケースでよくみられ、小脳出血や脳幹出血などが疑われるからだ。
最後に、薬服用後に「吐き気」を感じる場合だ。
この場合は体に合っていない可能性があるため、薬疹も生じてしまうケースもあるだろう。
神経に影響する薬やホルモン剤、抗生物質やNSAIDSなどが神経細胞を刺激していることが多い。
まずは処方してもらった医療機関に相談してほしい。
万が一の場合でも、落ち着いて適正な診療科を有する医療機関を受診して欲しい。
伊藤 院長 2014年9月28日(日) 記
カテゴリー:内科
関連記事
カテゴリ: 内科