血液透析と皮膚搔痒症
2014.02.10
2/10(月) 血液透析と皮膚瘙痒症について
腎臓を悪くして血液透析(以下透析)を受けながら働いている
ビジネスパーソンには本当に頭が下がる。
透析には悩まされる合併症の一つに皮膚の痒み、瘙痒症があげられる。
透析をしていない方でも冬季間は皮膚が乾燥し痒くなるものだが、
透析を受けていると季節に関係なく生じるため、透析病院にいた時は
何とかならないかと相談を受ける事が多かった。
主な原因は皮膚が乾燥する乾皮症が生じ湿疹に進展しやすいためである。
単に皮膚が乾燥するためと思われてきたが、本来は存在しないはずの
末梢神経が皮膚の表面近くの部分(角質細胞の層)まで侵入してくる事が
判明した。これでは痒みがよりひどくなるわけだと妙に納得した事を
覚えている。
治療はステロイドの軟膏と保湿剤を使うくらいしか方法がなかったが、
今では侵入してきた神経に作用する内服薬も開発され、治療は楽になって
きている。
しかし、個人差もありすべての人が恩恵に浴せるわけではないようだ。
そのような場合、漢方薬や抗アレルギー剤を用いて改善する事もある。
現在、治療の選択肢は広がっている。
痒みがひどい透析を受けているビジネスパーソンは特に専門医とよく相談し
痒みを和らげてほしい。