漢方の基本 陰陽と虚実⑵
2013.12.12
12/12(木) 漢方の基本 陰陽と虚実⑵
前回は陰陽と虚実の証について概説した。
具体的な例として、この証に基づいて風邪の処方を行うとしてみよう。
発熱のひどい時には陽証にまちがいないが、顔が赤く関節痛や腰痛を伴うならば実証と考え、
麻黄という成分の含まれる薬を使って発汗させ、治療することができる。
しかし、陽証ではあるが虚証の人、すなわち自然発汗し、
悪寒はあまり強くなくのぼせがみられるような場合には、
桂皮(シナモン)の含まれる処方を行う。
さらに、虚弱な体質の人や老人の場合はただ横になっていたいことがあり、
陰証と判断できる。このような場合は附子や茯苓の含まれる薬や香附子の
含まれる薬を服用すると良くなることが多い。
このような漢方診療の基本である様々な証の診断がつけば、
その人に合わせたオーダーメイド治療となり、当然ながらその効果を発揮するのだ。