手が荒れやすい人のための「手洗い」方法
2013.11.22
11/22(金)手が荒れやすい人のための「手洗い」方法
前回は一般的に知られている風邪予防の「手洗い」・「うがい」は、その目的である
消毒が完全でなければ予防にならないことをメカニズムと合わせて書いてみた。
今回は秋から冬にかけて悪化する手が荒れやすい人の「手洗い」について述べたい。
手の皮膚は、汗とともに分泌される成分と表面に住み着いている細菌が産生する脂肪酸よって、
言わばコーティングされているような状態を保っている。指紋はこの証拠である。
しかし秋、冬と温度が下がるにつれて手も汗をかくことが少なくなり、かつ、不汗蒸泄のため
水分がどんどん消失し、指紋もつかないようなカサカサとした手になってしまう。
このような状態で前回書いたような石けん、そしてアルコールによる消毒を
行えばたちどころに悪化し、「ひびきれ」にいたるのは当然であろう。
そのようなことを少なくするためには、不足する油分を補いつつ手洗いを行えば良い。
手荒れのケアは水を使った後行われるのが一般的だが、加えて水を使う前にも
軽いケアを行うのである。
その場合市販の保護クリームでも良いが、市販品には様々な香料や色素が含まれており、
それに負けることもあるようなので、できれば質の良いものを使ってほしい。
最も大事だと思うのは入浴後の処置である。
入浴すると水分が皮膚に吸収される。しかし上がった後はどんどん蒸発してしまう。
それを防ぐように軟膏やクリームを塗布して水分を保つのである。
さらに寝ている間に皮膚は修繕されるので、
布団を汚さない程度に軟膏を手に塗るか
ハンドケア用の手袋をして寝ると良いと思う。
主に軟膏として用いるのはワセリン、尿素軟膏、ヘパリン類似物質などだが、
実際には個人差があるため、皮膚科専門医に相談して適切なものを使用して欲しい。