個人購入の頭痛薬に伴う急性胃炎
2014.05.12
みぞおちの痛みを訴えて受診されるビジネスパーソンが増えている。
特に腹痛を訴えるわけでもない事が特徴だ。
急性胃炎と言い、胃の粘膜が急に腫れたりただれたりする病気の可能性が強い。
原因としては怪我ややけどによるストレス、精神的ストレス、アルコールなどがあるが、
最近増えているのはNSAIDSと呼ばれる鎮痛剤の服用によるものだ。
これまで医師の処方箋によって服用されていたこれらの薬が、薬局で直接購入できる
ようになり、胃粘膜の弱い人でも服用する機会が増えたことによる。
腰痛や頭痛、風邪の発熱時に広く効果を発揮するが、空腹での使用はもちろん、
胃が弱っている時には食後の服用でも急性胃炎を発症しやすい。
医師が処方する時には、体調や体質を考えて胃粘膜保護剤をいっしょに処方する事が
多いが、個人で購入される場合は単独での服用が多い。
この症状はあくまで一過性であり、慢性胃炎のもとにはならないので安心してほしい。
そうはいっても、急性胃炎は内視鏡の所見をもとに診断されることや、他の稀な疾患、
たとえば早期胃がんなどとの鑑別も必要になるため、内視鏡検査を勧めたい。
健康診断もかねて消化器内科で精査してみてはいかがだろうか。
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カテゴリ: 内科