寒くなると増えるペットからの感染 ー真菌感染症
2013.11.13
11/13(水)寒くなると増えるペットからの感染—真菌感染症
真菌(カビの医学用語)感染症の水虫に引き続き、外来で時々遭遇する注意すべき
他の真菌感染症について触れてみたい。
腕や体にぽつんと丸い紅斑がいくつか生じ、湿疹の軟膏を付けても一時的には軽快しても
なかなか根治しない発疹が生じて受診される方がいる。
検査と同時によく問診してみると飼い猫や飼い犬がいて動物病院へ通っていることが多い。
こうした犬やネコがカビを持っており、抱いたり撫でたりするときに感染する。
人間生活にあるカビとは異なるため、感染すると激しい免疫反応を起こし、滲出液を伴った紅斑を形成する。
以下が顕微鏡でみるカビである。
カビにも色々あり、ネコや犬に感染しているカビ、モルモットやウサギに感染しているカビ、
土の中にいて動物を介して感染するカビなどもある。
夏の間は暑いこともあり、ネコを撫でたり抱いたりすることは少なくなるだろうが、秋冬になると
暖房している場でネコや犬を可愛がる機会も増え、(実際、獣医は犬・猫を「愛玩動物」と呼ぶ)
その結果、感染するのである。
こうした感染で生じる発疹は湿疹とそっくりなことが多い。
患者さんご自身もまさかご自分の可愛がっているペットが原因と考えもしないため、
ペットの存在すらも知らないため、皮膚科医でも最初はステロイド軟膏を処方してしまうことがあるが、
治りにくいため再診時に真菌検査をして診断がつく。
治療は抗真菌剤の外用薬で治りにくい場合、内服薬も用いると効果が得られる場合がある。
飼い猫、飼い犬はともかく、かわいいからといって見知らぬ動物を不用心に撫でたり
抱いたりしないように気をつけてください。
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カテゴリ: 皮膚科