寒くなるとおきやすい「高血圧」⑹ −ストレス
2013.11.10
11/10(日)寒くなるとおきやすい高血圧⑹ ーストレス
高血圧には様々な原因があり、生活習慣の是正が重要なことを書いてきた。
最後に原因の1つであるストレスについて書く。
寒くなると血圧は上がるが、寒さもストレッサーのひとつであることは
以前書いた通りである。
ほかのストレッサー、例えば仕事のストレスあるいは仕事以外のストレスである
心的ストレスなども高血圧と関係することがわかってきた。
若い頃怒っているときに血圧が180まで上がっていたことを書いたが、
慢性的にイライラしていると常に高めになる。
これまでこうしたストレスは心理テストなどで判断するしかなく、
完全には影響度をつかみきれないため、抽象的にとらえられていた。
研究が進みストレスがひどい時に生じる物資が発見され、科学的に
ストレスを測定できるようになった。
これは活性酸素と言われ、空気中の酸素の数十倍酸化力を持つと
言われている物資で、体内で脂肪と結合して有害物質を作ることに関係する。
「ストレス」というとマイナスイメージがあるため悪いことのように
とらえがちであるが、実はそうとも言えない。
ライオンなどの縄張り争いからストレス研究が行われた結果、
ストレスがかかることによって力を集中させることができることが証明された。
いわゆる「火事場の馬鹿力」というものである。
プラス面も持っているストレスが問題になるのは、
健康であればストレスがかかっても元に戻れるが、これが元に戻れない、
もしくは元に戻りにくくなってしまう状態である。
そこで、戻らないようなことにならないためにもストレスをコントロール
しようというのが、ストレスマネジメントである。
メンタルヘルスという人もいるが、人の身体は感情面のコントロールだけ
できていれば、健康であるとは言えない。
「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」である。
ストレスマネジメントするためには、まずは自分のストレス値と
ストレスに打ち勝つ力を知らないとできない。
なお、当院ではビジネスパーソンの疾病予防対策として「ストレスマネジメント」
を提案し実施している。常にストレスを抱えるビジネスパーソンに必要不可欠な
医療相談ととらえている。
当院のストレス測定には、唾液と血液の2種類の方法がある。
今回は高血圧とからめて書いたが、動脈硬化やアルツハイマー病や喘息、
アレルギー疾患でも影響するので、心配な方にはストレス測定をお勧めしたい。