寒いときこそ水虫は治そう!
2013.11.12
11/12(火) 寒いときこそ水虫を治そう!
一般的に感染症は寒くなれば減ると思われている。
確かに食中毒などの細菌性疾患はなりをひそめるが、すべての感染症が
そうという訳ではない。
インフルエンザなどウィルス疾患に加え、水虫も外来では減らない感染症である。
水虫は白癬菌というカビの感染症である。
頭部白癬、体部白癬、股部白癬、手白癬など発症する部位をつけて疾患を表すが、
(下記のできやすい場所の図を参照)よく見られるのは足に生じる足白癬である。
足白癬には病型があり、夏は汗を多くかき足を露出させるために、
菌が付着しやすい。夏のじめじめするときに生じやすいのは、土踏まず部や
足趾の根元に好発する小水疱・鱗屑型である。
最も多いのは足趾びらん型である。さらには踵に増殖する角質増殖型もある。
冬は厚めの靴下とブーツを履くため、足下の暖房の効いたところで
2〜3時間仕事をしていれば足は蒸れ、水虫が増殖するのに十分な環境となる。
水虫は皮膚の角層(つまり垢になる部分)を好むように進化したカビである。
培養すると白い丸い房を生じて増えるので、「白癬」という名前がついている。
どこにでもいる菌なので、ほとんどの人は少数の菌を身につけているし、
風呂場のマットなどはその代表的な場所である。
たかが水虫に治療なんてと思うかもしれないが、皮膚科専門医としては
合併症を懸念して治療を勧める。
足にびらんを起こすと細菌が繁殖しやすくなるため、これが進行し皮下に細菌が
入ると蜂窩織炎を起こすからだ。
これは厄介な感染状態で、抗生物質を内服したり注射したりしないと拡大する。
あまりに広がりすぎてしまうと足の切断にいたることもある。
その他、水虫があると骨折してギブスを巻く場合は、爪に感染が生じてしまう。
爪白癬である。こうなるとなかなか治りにくい。
たかが水虫と言えども、冬の水虫は要注意である。
寒い時こそ水虫治療を勧めたい。
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カテゴリ: 皮膚科