夜間救急の医療現場で思うこと⑵ 救急利用の判断のめやす
2013.11.25
11/25 夜間救急の医療現場で思うこと⑵
前回は救急医療を適正に利用してもらいたいという趣旨で、
救急車で搬送された重症と軽症の患者さんの例を書いた。
要は明らかな軽症なのに気軽にかからないこと、
しかし、迷ったら利用するということに尽きる。
そうは言っても、実際に休日や年末年始に怪我や病気に
なった時はどうしたら良いのか。
今回はそのような時にはどうすべきかを考えてみたい。
①「火傷(やけど)」ー突然の怪我で最も多い
お湯やアイロン、料理の油、カイロといったものが多い。
まずは冷やすことは正しい。
問題はどのくらい冷やし続けるかだが、10分から30分位で充分で、
その後は体温に近いぬるま湯につけたタオルでくるんだりすれば良く、
その状態で翌日皮膚科や外科を受診してほしい。
ただし片腕半分位の面積や顔の広い範囲の熱傷または熱い煙を
吸ってしまった場合は気道熱傷の心配があるため受診すべきだ。
②「急性蕁麻疹」ー軽症で多い
蕁麻疹については過去のブログを参照していただきたい。
かいつまんで説明すると、少しでも蕁麻疹が生じたらお風呂に入らない、
走ったりしない、お酒を飲まないようにしてほしいということだ。
③「腹痛」ー昨日の例のように判断が難しい。
多くの場合は軽度の胃腸炎だが、少なくとも過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍など
既往のある人の場合は再び悪化している可能性があるため
受診した方が良いと思う。
④「喘息」ー発作は生命に危険
受診して発作を押さえることが肝心だ。
発作を起こさないように生活することが大事だが、起きてしまったら
躊躇せずに受診してほしい。
⑤「風邪」ーほとんど軽症
夜間ではなく昼間に受診すべきである。
「風邪は万病のもと」と言われるのは、色々な病気が風邪のような症状で
始まることがあるからと以前のブログに書いた通り、医療スタッフが
充実している昼間の診療時間帯にかかるべきと思う。
以上を救急医療にかかる際の参考にしていただけると嬉しい。
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カテゴリ: 救急対応と救急現場