夜間救急の医療現場で思うこと⑴ 重症と軽症の混在

夜間救急の医療現場で思うこと⑴ 重症と軽症の混在

2013.11.24

11/24(日) 夜間救急の医療現場で思うこと⑴

 

時々夜間救急を受けもっているが、色々と考えさせられることが少なくない。

最近目立つのが、軽症の患者さん達があまり何も考えずに(悪気無く)気楽に救急医療を

受けようとすることだ。ひどい例では、風邪をひいたというだけで重症を装い救急車を

まるでタクシー代わりに利用する人もいた。

 

夜間救急病院のスタッフは交代で夜勤する。それゆえ、夜間救急はスタッフ数も少なく、

受診者が増えるとかなりお待たせすることになる。

そこから重大な問題が生じてしまう。

軽症の患者さんが救急医療現場に混入することで、緊急に医療的処置を必要としている

重症の患者さんのケアを遅らせ、命までも危険な状態にさらしてしまうのである。

病院

先日こんなことがあった。夜中同時に重なり「腹痛」を訴えて救急車で

搬送された2人の患者さんがいらした。

そこでは喘息の患者さんと不整脈の患者さんの2名がお待ちだった。

最初の患者さんは腹痛の訴えで救急車を要請し来られた、

聞くと便が数日間出ておらず、腹が張って痛むとのこと。

数週間前にヘルニアの手術をしているので心配できたとのことだった。

浣腸をかけてしばらくすると便が出て楽になり帰宅された。

 

2番目の患者さんは腹痛そのものは夕方には起こっていたらしい。

じっと我慢されていたが、とうとう苦しさに耐えかねて救急要請したようであった。

この症例は腎臓破裂で緊急手術が必要なため、直ちに手術ができる病院へ

移送することになった。

 

1例目はどう考えても救急車を呼んで受診するほどの緊急性はない。

手術をした影響で、と言っておられたが、そもそも急に生じたのではなく

何日も続いていたので、昼間の受診は十分可能だったはずだ。

恐らく痛みは軽かったので放置していたが夜になると気になり、

心配が膨らんで救急車を呼んだのだと思う。

救急車

一方2例目はこれとは逆に、命にかかわる症例であった。

この症例は夕方にはかなりの痛みがあったがこれくらいでは病院に行っては

申し訳ないと思い我慢を重ねていた。幸い診断が早期につき専門医に転送できたが、

あと少し遅れていたら助からない状態であった。

この場合は遠慮のしすぎである。

人口呼吸

夜間救急外来へのかかり方は実際のところ患者さんにとっても難しいと思う。

遠慮なさすぎるも遠慮しすぎるのも、どちらも問題だからだ。

しかし、自分がもし重症患者だったらという状況を考えて受診していただけると有り難い。

 

日本の医療制度は先進国の中でも際立って恵まれている。

好きな時に好きな医療機関にかかれる。しかも救急車は無料だ。(海外では有料)

しかし、コスト高の救急医療を患者さんが日常的に気軽に利用するようになれば、

重症の患者さんの治療が出来なくなるばかりか、大赤字の健康保険制度も維持できなくなくなるだろう。

 

年末年始の救急医療現場は人員が少ないことと患者さんが集中するので非常に混雑する。

できるだけ昼間に受診してほしいと思う。

昼間の診察であれば検査室、手術室、病棟などのスタッフがいるので様々な対応ができる。

年末などは普段処方されている内服薬は早めに処方してもらうようにお願いしたい。

 




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