増えている「なかなか止まらない咳」

増えている「なかなか止まらない咳」

2015.12.25

coughing

ここ数年「止まらない咳」で来院されるビジネスパーソンが増えている。
咳は医学的には咳嗽(ガイソウ)と言うが、日常的に遭遇する疾患症状である。
咳嗽は咽頭部における異物を排除する生理反応であり、健康な状態でも気道に誤って飲食物が入り込んだ時に排出しようと咳こむという説明ならばご納得いただけると思う。これが風邪の場合は、喉に炎症が生じることで粘膜の咳受容体が敏感になり生じる。したがって、風邪が治れば咳も減少していくのが通常である。

ところが、ここ1・2年、市販薬、あるいは処方薬の咳止めを飲んでも改善しない、また風邪は治っても咳が治らないどころか悪化し、夜間眠れないという深刻なケースが増えてきた。
筆者はこれらの背景には環境よる耐性変化も関係していると疑っている。

「止まらない咳」の中にはさまざまな疾患が含まれている。通常の咳止めでは効果はなく、ケースバイケースで対応する必要がある。
例えば、鼻の奥や頬部に鈍痛があり朝に痰が多く生じる場合は、副鼻腔炎由来の咳嗽を疑い抗生剤を含めた処方が必要になったり、夜間や早朝に咳嗽がひどくなる場合には慢性咳嗽の疑いがあり相応の内服薬が必要になる。大体3週間以上続く咳嗽は慢性咳嗽以外の疾患が含まれるのだ。

しかし、残念ながらこれらの鑑別診断のための検査が可能な施設は限られており、長期間、咳に苦しみ十分な睡眠が取れぬまま仕事をこなさなくてはならないビジネスパーソンを放置できない。したがって、現場では症状から予想して処方し、経過をみて治療していく方法がとられている。

風邪ではないのになかなか咳がとれない、風邪が治っても咳が続く、もしくは、数日市販薬を服用しても改善しない、又は、悪化した、というような症状をお持ちのビジネスパーソンには、速やかに医療機関を受診されることをお勧めしたい。
ちなみに、市販薬は診断なしで服用することを前提に作られているため、処方薬よりは薄めに製造されている。これは、あくまでも安全性を期して販売されているとご承知いただきたい。

伊藤 院長 2015年12月25日(金)記
カテゴリー:内科、予防と予防対策




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