冬に活用したい漢方薬療法⑴冷え性 ー手荒れ・にきび
2013.11.16
11/16(土)冬に活用したい漢方薬療法 ⑴冷え性ー手荒れ・にきび
以前に少し漢方薬のことを書いたが、今回は冬に向けて漢方薬が適応できる
「冷え性」について少し詳しく書いてみたい。
最近手荒れ、くちびるの乾燥、ニキビを訴える患者さんが増えてきた。
なかなか治らないということで受診される。
ある程度以上は改善せず毎年繰り返してしまうようだ。
このようなとき「冷え性」であることが見落とされている場合がある。
冷え性とは冬に特に手足に冷えが顕著な症状である。
西洋医学的な言い方をすれば微小循環障害を起こしているといえる。
人の体は栄養や水分を絶えず循環する血液などから受け取り、老廃物などを血液や
リンパ液に流すことで保たれている。
この流れが体の末梢部分で滞ると、微小循環障害を起こし「冷え性」のような症状が
生じると考えるのである。
「しもやけ」「頭痛」「生理痛」等はまさにこの微小循環障害が起こす典型例である。
手やくちびる、顔の皮膚は体の末梢にあるので、冷え性が生じるほど末梢の循環が
悪いと十分な水分が供給されなかったり、老廃物がたまりやすくなったりして症状が
起きる。このような場合に漢方薬が威力を発揮する。
手荒れやくちびるの乾燥のように末梢に水分が不足して起きる場合には水はけを
良くする成分の入った薬を用いる。
ニキビは膿みが少なく顔に赤みがあるタイプならば微小循環改善薬を処方する。
手が乾燥して冷え気味で足も冷える場合は呉茱萸という成分のはいった薬を選択する。
漢方薬にはこのように症状の組み合わせに応じた体液の流れを良くする薬が
あるので、なかなか治りにくい場合に漢方薬を試してみることを勧めたい。