不快な梅雨期だからこそ知っておきたい様々な要因による悪心や嘔吐
2014.07.11
梅雨まっただ中で、食べ物は傷みやすく、不快な臭いに思わず気持ちが悪くなる。
悪心(おしん)とはこのような吐き気のことを言い、呕吐(おうと)とは一旦嚥下した食物が
食道を通って逆流してくる現象を示す。
その原因をおおまかに食事と関係するものと関係しないものに分けてみよう。
まずは食事と関係するものとして、ご存知のように「悪心・嘔吐」の多くは胃腸障害と
関連して生じる。胃炎や腸炎の時には食物を受け入れられないため悪心を生じ、
さらに腹痛と呕吐を起こす。便秘症でガスがたまっているときは胃が持ち上げられるた
め、食物がとりづらく悪心のシグナルが生じる。
つぎに、食事と無関係に生じる例としては、ビジネスパーソンが多忙で睡眠不足である
時の悪心・嘔吐がある。これは悪心・呕吐の神経が様々な神経と密接に関係しているため
である。
うつ状態などで神経が疲れた状態の時にも生じる。これは大脳からの不安や嫌悪感などの感情が引き金となる。
他にも狭心症、尿管結石、肝臓疾患など多彩な疾患が引き起こすことが知られている。
さらに、食事とは無関係なものとして以前ブログでも紹介した乗り物酔いもあげられる。
これは視覚と水平感覚のずれが生じて神経信号の処理に混乱をきたし、呕吐を誘発する。
これらとは別の要因として、治療のために服用する内服薬がある。
例えば、抗がん剤の副作用として悪心・嘔吐を生じることはよく知られているが、
これは中枢神経の中のレセプターに薬剤が作用するものである。
悪心・呕吐はじつはこのような多岐にわたる疾患のシグナルでもある。
特にビジネスパーソンの場合で食事と関係なく生じる場合、他に異常はないかどうかも
振り返る必要がありそうだ。
体調が普段とは違うが、何かがよくわからないときは、まずは内科で相談すると良い。
伊藤院長 2014.7.11 記
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