ストレスと病気 ⑵胸痛
2013.12.04
12/4(水) ストレスと病気 ⑵胸痛
常にストレスにさらされるビジネスパーソンが突発的に様々な痛みを感じ、
心配になって受診されるケースが最近増えてきている。
その一つが胸痛がある。
例えば、以前なら「ただの筋肉痛」と気に留めなかったようなことでも、
Jリーグ選手の突然心停止や水泳のオリンピック選手の突然死を聞くと、
自分もそうではないかと不安になるようだ。
突然胸部にズキンと刺すような痛みが生じると、狭心症とか心筋梗塞といった疾患が
思い浮かぶのではないだろうか。
しかし、実際は筋肉痛や肋間神経痛による疼痛が多く、ほとんどは心配のない場合が多い。
落ち着いてから話を伺うと、風邪のため咳が続いていたり、2・3日前に会社の引越しで
重い荷物を持ち上げていたという。
このような「既往歴」が分かれば大丈夫だ。
数日から10日もあれば痛みは徐々に和らいで行く。
問題になるのは、長年の仕事のストレスによる動脈硬化である。
動脈硬化はそれこそ狭心症や心筋梗塞の原因となり、生命に危険が及ぶため
きちんと対処すべき疾患だ。
ストレスそのものに動脈硬化を促進する作用があるが、食事や運動不足なども同時に
重なってくるため病気の進行が考えられる。
動脈硬化が進行したところに、さらに大きなストレスがかかると懸念していた疾患の発症に至る。
これを防ぐには健康診断をおろそかにせずきちんと受けることが最も良い対処法と思う。
家族に同様の病歴がある人、川崎病の既往がある人など危険因子が多い人は、専門医を受診して
超音波エコーやCTなどで心臓の動きや冠状動脈の動脈硬化の状態を調べることが大切になる。
いずれにせよ、「痛み」があるということは何らかの警告なので、
ご自身の体調に関心を持つ機会として、ぜひ捉えていただきたいと願う。