インフルエンザ− その感染メカニズム
2013.10.16
10/16(水)インフルエンザ−その感染メカニズム
前回はA型インフルエンザウィルスの由来を中心にインフルエンザウイルスが流行するメカニズムについて触れた。つまり、その年のA型インフルエンザは渡り鳥に左右されるということになる。今回はこの感染について述べる。
ユーラシア大陸を旅する渡り鳥が途中で立ち寄る中国南部にはブタを飼育している農家が多い。ここで鳥インフルエンザはブタを介してヒトインフルエンザへと変異しヒトの間での流行が始まると言われているが、実はA型インフルエンザウイルスの問題はその性格を決めるウィルス表面の2種の抗原(の一部)が変化しやすい点にある。これは、それまでのA型インフルエンザウイルスに免疫があっても新たに出現したA型インフルエンザウィルスには免疫力が低下するということを意味するからだ。
さらに鳥インフルエンザが直接ヒトに感染することは最近まではなかった。ブタの例でわかるように、たとえ感染力の少ない鳥インフルエンザであっても、ヒトに直接感染できればブタではなくヒト自身の体内で人に感染しやすいウィルスに変異し、爆発的な流行を起こすことになる。昨今新型鳥インフルエンザが恐れられているのはこのためである。
次回はこれに対抗する方法について論ずることにする。
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