「皮膚筋炎」について
2014.01.15
1/15(水)「皮膚筋炎」について
今回は聞き慣れない病気で恐縮だが、免疫異常による疾患を例に「免疫」とは
何かを考えてみよう。
「皮膚筋炎」とは自己免疫性疾患の一つである。
よく免疫力が落ちると風邪を引く、予防接種をして免疫力をつける、などといわれる。
免疫とは、ウィルスや細菌など人にとって好ましくない外来の異物を排除する仕組みである。
免疫のこの仕組みは、実は自己を攻撃しないという前提で成り立っている。
ちょうどサッカーで味方と敵を区別するような仕組みである。
免疫を担当する細胞は味方を認識するような訓練を受ける。
味方の数も相当に多いが、優秀な免疫細胞は必死で覚え自分の体を攻撃しないようになる。
そしてこの情報を次々と新しい細胞に伝えて行く。
ところが、これらの過程で間違った情報を免疫細胞が覚えてしまうことがある。
この情報を持った細胞が増えると、集団で体のどこかを攻撃するようになる。
これが自己免疫疾患である。
皮膚筋炎はこの攻撃が全身の筋肉と皮膚に起こり、筋肉痛と体に近い四肢の筋肉の脱力感、
それに皮膚症状がみられる疾患である。
実際の症例数は少ないが、皮膚症状が多彩で、他の皮膚疾患と紛らわしい症状が見られる
こともある。
皮膚筋炎はビジネスパーソンにとって身近な疾患ではないが、免疫の仕組みについて
理解いただく機会になればと思う。
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カテゴリ: 皮膚科