小さな傷が命に関わる病気になるとき

小さな傷が命に関わる病気になるとき

2017.09.30

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当院を受診されるビジネスパーソンに多い傷には、小さな傷、擦り傷、刺し傷などが挙げられる。無理にささくれをいじったり、足に合わない靴や軍手での庭作業など、いずれも日常的な些細なことが原因である。

こうした些細な傷に細菌が入って進行していく代表的な疾患に「蜂窩織炎」がある。

原因菌は主に黄色ブドウ球菌とA群β溶血性連鎖球菌である。おおかたは自然治癒するのだが、傷が深かったり免疫が低下している時に菌が入ってしまう。「蜂窩織炎」とは、皮下組織での感染症で自然治癒することはない。たとえば、足に生じた場合は、足指から上に向かって感染が進んでいくので、ひざ下までに阻止しないと、敗血症を引き起こし命を落としかねないのだ。

秋は体を動かしたり、レジャーに行くには適した季節である。もし小さな傷から痛みを伴う発赤が生じたらたら、まず石鹸と流水で洗浄してほしい。その上で近くの病院で抗生剤による必要な処置を受けていただきたい。それでも腫れが拡大した場合、自然に良くなるなどとは思わずにすぐに病院へ行かれて欲しい。この時の判断が重要である。なぜなら、この段階で十分な治療を受けなければ、敗血症に進行し手遅れになってしまうことがあるためである。

皮膚は絶えず微生物に晒されている。ほんのわずかな微生物でも傷を通して簡単に人体に侵入できる。たとえ小さな傷であってもできてしまったら必ず洗浄して清潔にし、短い秋を楽しんでいただきたい。

伊藤 院長 2017年9月30日(土)記
カテゴリー:皮膚科




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